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狙ったのか何なのか、NHKでスペシャルドラマ「坂の上の雲」が放送されている中、このような記事を見つけた。


日本、ロシア主戦派の同盟案黙殺 日露戦争直前、新史料発見

日露戦争開戦1カ月前、ロシア側の主戦派の一人と考えられていた政治家が戦争を回避しようと日露同盟案を準備しているとの情報を得ながら、日本政府が黙殺していたことを示す新史料を、和田春樹東大名誉教授が7日までに発見した。日露戦争についてはこれまで、作家司馬遼太郎氏が小説「坂の上の雲」で論じた「追いつめられた日本の防衛戦」とする見方も根強く、日露戦争前史を見直す貴重な発見と言えそうだ。


司馬遼太郎氏が主に「坂の上の雲」で展開した歴史観を、俗に「司馬史観」と呼ぶことがある。

「司馬史観」の内容をざっくりと述べると、明治時代の日本(日清・日露戦争)を肯定的に評価し、昭和の日本(主に太平洋戦争)を否定的に評価する立場である。


余談だが、「○○史観」というのは、大抵対立陣営からのレッテル貼りによってネーミングされる。

例えば、太平洋戦争が侵略戦争であったと考える歴史観は「自虐史観」と呼ばれ、逆に、日本の戦争責任を一切否定するような歴史観は、「自慰史観」と揶揄されるのが、その典型だろう。

前者を「東京裁判史観」、後者を「靖国史観」ということもあるが、両者の立場に象徴的な名称を冠しているので分かりやすいっちゃ分かりやすいが、東京裁判も靖国神社も歴史研究の舞台ではないわけで、あまりいいネーミングだとは思わない。


なお、後者の立場に立つ人らの自称である「自由主義史観」なんかは、「自由主義」とは全く関係ないので最悪なネーミングだ。

この点、「司馬史観」ってのは「司馬遼太郎の歴史観」なので、ネーミングとしては非常に分かりやすい。


余談終わり。


昭和期の戦争の評価はおいておくとして、今回は日露戦争のお話。

司馬氏は、これを祖国防衛の戦争であったと肯定的に捉えているわけだが、共同通信の記事にある、「司馬遼太郎氏が小説『坂の上の雲』で論じた『追いつめられた日本の防衛戦』とする見方」というのは、具体的にはどういう意味だろうか。

「坂の上の雲」において、日露戦争の原因についてどのように記されていたか全く思い出せないのだが、残念ながら、今手元に本がない。困った。

まあ、問題は、小説にどう書いてあったかではなく、一般的に日露戦争というものがどのように認識されているかだ。
今回出てきた資料は、その認識と反するような発見なのだろうか。


和田名誉教授が発見したのは、ベゾブラーゾフの署名がある1904年1月10日付(これは西暦?ロシア暦?)の同盟案全文である。

その同盟案の内容は

「ロシアが遼東半島を越えて、朝鮮半島、中国深部に拡大することはまったく不必要であるばかりか、ロシアを弱化させるだけだろう」
「ロシアと日本はそれぞれ満州と朝鮮に国策開発会社をつくり、ロシアは満州、日本は朝鮮の天然資源を開発する」

というものらしい。

日本の外務省が、ベゾブラーゾフが日露同盟案を準備していることを最初に知ったのは1月1日とのこと。
そして、10日に同盟案が完成し、日本の外務省には12日に詳細が報告されたという流れ。

この事実を受けて、共同通信の記事は、

当時の小村寿太郎外相は日露同盟案の情報を得ながら、同月8日、桂太郎首相や陸海軍両大臣らと協議して開戦の方針を固めた。12日の御前会議を経て、同年2月、ロシアに宣戦布告した。

と締めくくっている。

これを見ると、日本はロシア側の同盟の呼びかけを無視して戦争をしかけたみたいに書かれているが、それはおかしい。

小村寿太郎ら日本政府は、1903年以来、日露協定の締結に向けてロシア側と交渉を続けていた。
その相手方は、ベゾブラーゾフではなく、極東太守のアレクセーエフである。

ベゾブラーゾフは、当時、日露交渉の窓口ではなかったわけで、ロシアを代表して同盟を提案できる立場にはない
つまり、日露同盟案なるものは「単なる一政治家の私案」にすぎない。


また、その同盟案の内容も全部が明らかでないので何とも言えないが、この時期に進められていた日露交渉において、対立していたのは、

・満洲において日本が有する権益をロシアが認める
・韓国領土を日本が軍略目的に使用しないことを認める
・北緯39度以北の韓国領土を中立地帯とする

という3点であって、ひとつめはロシアが拒否し、後のふたつは日本が拒否していた。
交渉の最中に、争点となっている事項を完全に無視した(しかも、非公式の)同盟案などありえないので、小村外相が無視するのも当然だろう。


和田名誉教授は、「ロシア側は戦争を望んでいなかった」という主張をしている人なので、「主戦派の筆頭であったベゾブラーゾフが実は同盟を望んでいた」という事実だけが重要なのだろうが、そもそも「主戦派」といっても、戦争そのものが好きなのではなくて、「目的のためには戦争をも辞さない」という立場だ。

直接的な目的は、あくまで満洲権益の防衛と、韓国への影響力の維持であったわけで、主戦派とは「とにかく日本と戦争がしたかったグループ」のことではない。
つまり、「文句があるならかかってこいや!派」なのであって、別に「日本は鬱陶しいからさっさと潰してやろうぜ!派」ではないのだ。

戦争をすれば自国にも多大な負担をもたらすことは常識であり、戦争を避けて同じ目的を達成できるならそれはそれでよいのである。

したがって、「ベゾブラーゾフが戦争回避を望んでいた」「戦争がロシアを弱体化させるという認識を持っていた」というだけでは、別に驚くべきことでも新しい発見でも何でもない。


また、「ロシアは韓国への影響力拡大を目指してはいなかった」という評価は、今回の資料に関わらず誤りだといえる。

もしそれがロシア側の公式見解なら、正式な日露協定案として提案されるべきだが、同盟案作成後においても、ロシア側は依然として、「ロシアは満州から撤退しないが、日本は韓国の軍略目的使用をしてはならず、韓国に中立地帯を作る」という態度を変えてはいなかったからである。


つまり、実際に交渉の場にいなかった(その権限も有していなかった)ベゾブラーゾフという政治家が内心でどう考えていたかは知らないが、日清戦争後に満州を支配し、韓国権益の拡大を図っていったロシアの動きを見る限り、日本に対して脅威を与えるに十分な状況にあったといえる。


和田名誉教授らが述べているのは、銀行強盗が銀行員に実弾入りの銃を突き付けておきながら、「強盗に殺害の意図はなかったので、実際には、銀行員の生命の危険は全く無かった。銀行員は何ら追い詰められていなかったのだから、その強盗をはり倒したのは不当だ」というようなものだろう。



もっとも、もし「坂の上の雲」に、「ロシアは戦争を望んでいた」という記述があるなら、それは誤りだろう。
少なくとも不正確である。
もし本当に「戦争がしたかった」なら、日本側の第四次案に対してロシアが大幅に譲歩した回答(これは、日本側には届かなかった)が作成されることは無かったはずである。
もっとも、この第四次案が出たころには、既に日本は開戦を決意していたようなので、「時すでに遅し」なのだが。


ロシア側もギリギリまで戦争回避に動いていたことは、日露交渉の過程やロシア側の政治家の動きを見れば明らかであり、今回の発見は無くとも分かっていたことである。

それはもしかしたら「坂の上の雲」の記述とは異なっているのかもしれないが、既に実証研究において明らかにされていることだから、今回の発見は、日露戦争前史に何らかの影響を与えるような「新発見」ではない。


当時の状況としては、ロシアが一方的に戦争を望んでいたわけでもないし、日本が一方的に侵略を望んでいたわけでもないと考えられる。
どちらかが積極的に戦争を望んでいたなら、半年も交渉が続くわけがないからだ。


ということは、双方に戦争回避の努力はされていたが、結果的に、超大国ロシアの脅威に対抗する戦争以外の解決策を見いだせなかったために開戦に至った・・・といったところだろう。


そうすると、「坂の上の雲」に事実誤認の記述はあるかもしれないが、「追い込まれた日本が防衛線に打って出た」という「歴史観」に関していえば、誤りとはいえないと思う。



ところで、ドラマ「坂の上の雲」だが、たかが13話を3年もかけて放送するのはアホの所業だと思う。


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パブリックコメントではお世話になりました。
 しかし、その一方でこんなトンデモ話がカナダであった模様です。

【カナダの最高裁判所が、“大人がネット上で未成年と会話する”ことを今後違法とする判断】
ttp://digimaga.net/2009/12/canada-supreme-court-broadens-internet-luring-offense.html

 思わずアホか!と思ってしまいました。モニターの向こうの人間が何歳かなんて分かるはずも無いのに、どうやって判断するんだと。これは他人を陥れるためには使えるでしょうが、未成年の保護にはちょっとも使えないでしょう。
59630 2009/12/10(Thu)18:13:17 編集
>59630さん
リンク先の記事を読んでみました。
なんか、法律の内容も判決内容もイマイチよく理解できない記事なので、さらにネタ元を読んでみましたが、いろいろ誤訳がありますね・・・。


今回の事件は、最高裁がどうこうというより、カナダには元々、「犯罪の遂行を容易にする目的で未成年者とネット上で会話してはならない」という法律があったみたいです。

これに対し、下級審は「実際に会う意思がなかったなら、この犯罪に該当しない」という判断をしたが、最高裁が「『実際に会う意思』は要件とならない」と判断した。
それを受けて、控訴審が地裁を破棄し、最高裁もそれを7-0で支持した。

・・・というのが真相のようですね。


この判決の射程がどこまでかは分かりませんし、この法律の故意の認定基準も分かりませんので、評価が難しい事件ですね。
少なくとも、未成年者との会話を全て違法とする判決ではありません。


もっとも、どこまで違法なのか非常に曖昧なので、カナダでチャットするのは非常にリスキーですね。
Rion 2009/12/11(Fri)02:10:33 編集
あなたに抗議します
内容が違うかもしれませんがコメントさせていただきます。
かつてあなたはhttp://kanjaku.blog.shinobi.jp/Entry/480
で愛国さんをバカにしていますが、あの方は我々愛国者の集団から尊敬されている偉大な人なんですよ。そんなひとをバカにするあなたの神経を疑います。反省してください。
たれぱんだ 2009/12/14(Mon)20:35:40 編集
>たれぱんださん
>あの方は我々愛国者の集団から尊敬されている偉大な人なんですよ。

それがどうしましたか?

「我々愛国者の集団」というのがどこのどういう集団か知りませんけど、どちら様ですか?


まるで、「愛国者の集団」とやらが、社会的権威であるかのような書き方をしていますが、私はあなた方を知りませんよ。
あなた方を知りませんから、あなた方が尊敬している人物だからといって、偉大かどうかも分かりません。

「そんなひとをバカにする」っていわれても、具体的にどんな人なんですか?

「偉大」だというなら、彼の具体的な実績をお示し頂きたい。


推察するに、「我々愛国者の集団」とやらは、結局のところ、ただのネトウヨの別称か、あるいは愛国者氏と同様、高校レベルの知識を有していない無教養な集団(あるいは、リアルな小・中学生)なのでしょう。

ネトウヨごときに尊敬されているからといって「偉大な人」とは、片腹痛いですね。


私は、保守主義を批判する気はありません(というか、私もどちらかといえば保守の人間ですから)し、愛国心を持つこともいいことだと思います。

ただ、はっきり言って愛国者氏は保守ではない、ただの無教養な妄想家です。

「我々は天皇を利用することも許される」などという、およそ天皇陛下への畏敬の念の欠片も感じられない暴言を吐く「愛国者氏」に「愛国」も「保守」も名乗る資格はありません。



抗議はいくらでもしてくれて構いません。
ただ、どこの馬の骨とも分からない「愛国者の集団」とやらに、ただ「抗議」だけされても痛くも痒くもありません。


このブログでは、批判・反論はいくらでも受け付けています。
このコメント欄でもいいですし、以前の記事のコメント欄でも結構です。
なんなら、専用のコメント欄を用意しましょうか?

あなたが「愛国者」氏に代わって、私の主張のどこがどう間違っているか、客観的根拠を示して反論してみてください。

あなた一人では心細いなら、ぜひその「愛国者の集団」とやらを引き連れてきてください。
全部お相手いたしますよ。


なお、どんなに意見の異なるコメントでも受け付けていますが、「ルールに従わない書き込み」だけは削除対象ですので、節度をもってお願いします。
Rion 2009/12/15(Tue)01:12:47 編集
名実共に暴君?JASRAC
【奥村徹氏のブログから引用:■[著作権法] 「違法DLでネット切断、国内でも可能か議論したい」――JASRAC菅原常務】
ttp://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20091216#1260956051

【その中の引用URL】
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091216-00000023-zdn_n-sci

 来年から著作権が存在する動画、音楽ファイルは全てダウンロードが違法化されますが、もうこうなると何でもアリですよね。著作権保護の名目で他者のプライバシー覗きたい放題、制限し放題。それは現行法でもできてしまっている。
 思わず思ったことは「アホか!」の一言です(またかよと言われそうですが)。一体彼らは誰の利益を代表しているのか分かりません。

>たれぱんだ氏の書き込み

 まぁ、まともに相手にするだけ無駄です。捏造されたアインシュタインの予言(確認済み)を大真面目に書く人を尊敬するような人物(ややこしい)の程度は知れていますので、無視黙殺でも構わないと思います(いきなり土足で踏み入ってきて反省しなさいって何様だと)。
59630 2009/12/16(Wed)23:48:43 編集
>59630さん
ダウンロード違法化と、フランスのスリーストライク法の成立から、遅かれ早かれダウンロードに対する何らかの制裁措置が議論され始めるだろうとは思っていましたが・・・。

権利者団体は「通信の秘密」というのを軽く見過ぎですね。
日本国憲法では、検閲の禁止と並べて記載されている基本的人権なのに。


そもそも、現行の著作権法は厳格に運用すればもはやインターネットは成り立たない(Youtubeから違法動画を全部削除したらどうなるかを考えればわかる)し、違反者を取り締まろうとすれば、どうしても恣意的な捜査になります。
P2Pが駄目でYoutubeがよい理由(あるいは、動画は駄目だけど、静止画像はよい理由)は、現行の著作権制度の体系から説明はつきません。

パソコンやインターネットの普及で既に現行の著作権制度は破綻しているのに、規制だけがどんどん強化されていき、歪な制度になっているのが現状です。

もはや、「文化の発展に寄与する」という目的すら忘れられて、ただの既得権益の維持だけが目的の法律に成り下がっていますね。
Rion 2009/12/17(Thu)00:41:47 編集
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